大いなる災い

勝利の喜びよりも、
本当は一番にあなたに駆け寄りたかったです。
その傷に触れて、私が少しでも癒せれば。

けれども、まだそれだけの立場にいないことが、
…その現実が、歩みを止めて。
お大事に、としか言えない自分が歯痒くて、悔しくて。

……ああ、これが所謂、『ヘタレ』ってやつなんですね。


戦争、お疲れ様でした。
ちょっと、ところどころ忙しかったので、
戦争中には確認出来なかったことを、報告書で確認しました。

私たちの持つ能力というのは、
時には身を、時には世界を守る為の、謂わば暴力的な力。
…存在してはいけないもののために揮われるのだとしても、
その力を使う以上、自身に返ってくる可能性だって、勿論あるのですよね。

その覚悟があって、
裏付けるように、犠牲が出る。

……仕方ない、ってのは、どこかでわかってるんです。
けれども、それで納得出来るほど、大人でもない。
皆さん、どうやって割り切っているのでしょう。
小学生の、あの小さな身体でも、どうやって立ち上がっているのでしょう。
どうやって、悲しみを、悔しさを、閉じ込めて。